アルバイトでアパレル店員をやってみたい、あるいは学校を卒業したらアパレル店員になりたいと考えている人も多いと思います。
でも、未経験からアパレル店員になるためにはどうしたらよいのでしょうか。
こちらの記事では、アパレル店員に必要な学歴や、おすすめの資格について解説します。
アパレル店員になるメリットやデメリット、将来のキャリアプランなども分かりやすく紹介しているので、興味のある人は最後までご覧ください。
※2023年5月27日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年5月23日に再度公開しました。
目次
アパレル店員になるための必要な学歴は?
アパレル店員は必ずしも専門的な学歴を求められる仕事ではありません。
中にはファッションデザインやパターンメイキング、縫製などの専門技術を学んだ服飾系専門学校出身の人もいますが、アパレル店員自体は高卒以上を応募条件としていることが多いです。
高卒でアパレル店員になる場合、将来は店長やエリアマネージャーを目指すキャリアプランがあります。
ただし、アパレル店員から営業やプレス、MD(マーチャンダイザー)、企画などの総合職を目指す場合は大卒かどうかが影響します。
アパレル店員になるためにおすすめの資格は?
アパレル店員になるための決まった資格はありません。
一般的にはアパレル店員になってから、必要に応じて資格を取得していけば十分です。
ただ、資格を持っていればアパレル販売の理解に役立ちますし、熱意のアピールにも繋がります。
もしライバルと差をつけたいのであれば、資格を武器とするのも1つの方法と言えるでしょう。
こちらではアパレル店員を目指すのにおすすめの資格をいくつか紹介します。
ファッションビジネス能力検定
ファッションビジネス能力検定は、アパレルビジネスに必要な知識やスキルを広範囲にわたって測定する資格試験のことです。
商品知識やマーケティング、販売戦略などが出題されるほか、労働法や商法、製品や品質の表示に関する様々な法律への理解も求められます。
1級から3級に分かれており、3級は一般販売員レベル、2級以上は店長やマネージャーレベルの内容です。
ファッション販売能力検定
ファッション販売能力検定とは、アパレル販売に必要な知識やスキルを広範囲に測定する資格試験です。
販売知識や販売技術、マーケティングなど、アパレルショップの運営や管理に必要なノウハウが学べます。
1級から3級に分かれ、2級・3級は一般販売員レベル、1級は店長やマネージャーレベルの内容です。
リテールマーケティング(販売士)検定
リテールマーケティング(販売士)検定は、アパレル・ファッション業界に限らず、販売に必要な知識やスキルを測定する資格試験のことです。
商品知識や接客マナー、販売戦略など、広範囲にわたって問題が出題されます。
1級から3級に分かれており、2級・3級は一般販売員レベル、1級は店長やマネージャーレベルの内容です。
色彩検定
色彩検定は、アパレル・ファッション業界に限らず、色彩に関する知識や技術を測定する資格試験のことです。
色彩の基礎知識や、色彩の組み合わせ方、色彩の効果など、広範囲にわたって問題が出題されます。
コーディネートの提案やショップのレイアウトなど、様々な場面で活用することができる資格です。
1級・2級・3級とUC級がありますが、どの級からでも自由に受けられます。
接客サービスマナー検定
接客サービスマナー検定は、接客サービスに必要な知識やスキルを測定する資格試験のことです。
接客マナーやコミュニケーション技術、クレーム対応など、広範囲にわたって問題が出題されます。
エアライン・ホテル・ブライダル・リラクゼーションなどで必要とされるワンランク上のスキルを身につけることが可能です。
1級・準1級・2級・3級と4つのレベルに分かれており、一般販売員は3級以上あれば十分役立つでしょう。
アパレル店員の雇用形態
アパレル店員には正社員以外にもあらゆる雇用形態があります。
キャリアアップを目指す働き方もあれば、ライフスタイルに合わせて自分の希望条件を優先する働き方など、人によって相応しい雇用形態は様々です。
こちらではアパレル店員の雇用形態についてそれぞれ紹介します。
正社員
ショップの主力メンバーです。
アパレル店員からキャリアアップを考えるのであれば、まず正社員を目指します。
ただ、未経験者の正社員採用枠はかなり少ないので、派遣社員やアルバイトから始めるのがおすすめです。
正社員と比べて採用のハードルが下がるので、派遣社員やアルバイトで経験を重ねて正社員を目指すことも不可能ではありません。
契約社員
アパレル店員の中には契約社員として働く人もいます。
正社員との違いは企業によっても異なりますが、一般的には企業との契約によって一定期間のみ雇用される形態が契約社員です。
期間中は正社員と同等の待遇となりますが、契約期間終了後は自動的に雇用契約が終了するため、再雇用するかどうかは企業判断によります。
派遣社員
アルバイトよりも高い収入が得られ、ライフスタイルに合わせて自分の希望条件を優先する働き方が可能です。
正社員採用が難しいラグジュアリーブランドでも、派遣社員で経験を積めばチャンスがあるかもしれません。
ただし、派遣会社を通しての就業となり、定期的な契約更新が必要です。
また、順調に更新が続いても、同じ職場で働けるのは最長で3年までと法律で決まっています。
アルバイト
学生や若い人でも働きやすいのがアルバイトのアパレル店員です。
学業との両立や他のアルバイトとの掛け持ちもしやすく、自分の都合に合わせて働くことができます。
また、アパレル店員は華やかなイメージの一方、肉体的にも精神的にも大変な仕事です。
まずはアルバイトで働てみて、自分に向いているかどうかを見極めてみてはいかがでしょうか?
派遣社員やアルバイトで働くメリット
一般よりも服を安く買える
アパレル店員になると、一般よりも服を安く買えます。
また、お気に入りのブランドアイテムに囲まれながら働けるのも、アパレル店員の特権です。
実際にアパレル店員の中には、ブランドへの憧れが高じて働いている人も多く、割引価格で購入して着られることは大きなメリットといえます。
ファッションセンスが向上する
アパレル店員はファッションの知識を持ち、最新トレンドを把握していることが求められます。
最初はファッションセンスに自信がなかった人も、必要な情報を吸収するにつれて洗練されたコーデの提案ができるようになるでしょう。
アパレル店員としての経験が、自分自身のセンスアップにも大いに役立ちます。
礼儀作法・正しい言葉遣いが身につく
接客ではお客様に失礼があってはいけません。
接客技術を学ぶことによって、礼儀作法や正しい言葉遣いを自然に身につけることができます。
アパレル店員の仕事に限らず、これからの社会人生活においても必要なスキルです。
コミュニケーションスキルが磨かれる
アパレル店員として接客するうちに、コミュニケーションスキルが磨かれていきます。
人と関わるあらゆるシーンでコミュニケーションは欠かせないものです。
相手の気持ちを察し、適切な行動ができれば、プライベートの人間関係にも良い影響があるかもしれません。
お客様の満足にやりがいを感じられる
接客には基本となるマナーやテクニックが必要ですが、決められた筋書きや正解はありません。
つまり、お客様のニーズを察知して、快適なお買い物をサポートするのはアパレル店員の腕の見せ所です。
仕事を始めた当初はTシャツ1枚でも売るのが難しいですし、慣れてきてもスランプに陥ることがあります。
常に何をどうやっておすすめするか試行錯誤するからこそ、お客様の満足にやりがいを感じられるのです。
派遣社員やアルバイトで働くデメリット
意外に重労働
アパレル店員は華やかなイメージの一方、長時間の立ち仕事や商品を運んだりする力仕事も多く、身体的な負担の大きな仕事です。
人によっては体調を崩して辞めることもあるくらいなので、日頃から食事や運動などにも気を配り、丈夫な身体作りが大切です。
繁忙期が忙しい
セールなどのイベントを行うシーズンの変わり目は、お客様の来店が重なることも多いです。
必然的に接客業務が増え、慌ただしい状況が続きます。
休憩も十分に取りにくく、ショップの雰囲気もピリピリとして心身ともに疲れやすいです。
アパレル店員が目指すキャリアプランとは?
もし将来的にアパレル店員からのキャリアアップを考えるのであれば、まず正社員になることが不可欠です。
派遣社員やアルバイトは正社員を目指すための準備期間でもあるので、うまく活用してアパレル販売の仕事を把握しましょう。
こちらではアパレル店員が目指すキャリアプランについて紹介します。
店長・エリアマネージャー
現場でキャリアアップを目指す場合、副店長から店長、そしてエリアマネージャーという道があります。
そのためには販売経験を重ね、売上実績を作ることが大切です。
正社員になると個人予算が課せられますが、キャリアが上がるにつれて自分の店や担当エリア全体の予算達成が最重要課題になっていきます。
接客技術はもちろんのこと、面倒見の良さや責任感の強さなど、マネジメントスキルの適性が求められます。
営業や商品企画などの総合職
アパレル店員の実績が評価されれば、営業やプレス、MD、商品企画などの総合職にキャリアチェンジするという道もあります。
市場やトレンドの動向に基づいた戦略的思考や、他部署と連携を図りながら企画・管理するマネジメントスキルなどが必要です。
採用枠は限られていますが、アパレルで長期的に働くことを考えた場合、総合職を目標とするのも良いのではないでしょうか?
まずはアパレル店員として地道にスキルアップしていくことが肝心です。
ラグジュアリーブランドの店員
将来はラグジュアリーブランドの店員として、ワンランク上を目指してみるのはいかがでしょうか?
アパレル店員を長く続けていくためには、自分の年齢を考え、転職するタイミングを逃さないことも大切です。
ただし、ブランドレベルを上げる転職には、経験に伴った質の高いサービスが求められます。
いつか憧れのブランドで働くことを目標に、接客技術に磨きをかけるのもおすすめのキャリアプランです。
アパレルショップの1日の仕事の流れ
アパレル店員の勤務形態は主にシフト制です。
その日ごとに早番と遅番に分かれますが、正社員かどうかによって勤務時間や残業量も変わります。
また、商業施設のテナントの場合、施設の営業時間に合わせるので、同じブランドであっても店舗ごとに勤務時間が異なることが多いです。
こちらでは、とある商業施設に入っているアパレルショップの1日の仕事の流れを紹介します。
早番出勤(9:50)
早番スタッフは開店準備を行います。
金庫からレジ金を出したり、前日遅番スタッフの伝言メモや社内メールなどを確認するのが朝一の業務です。
また、お客様をきちんとお迎えできるよう、商品陳列や店内清掃をしっかりと行います。
朝礼(10:50)
朝礼では前日の連絡事項の伝達、その日の売上目標を確認します。
またイベントなどのスケジュールや商品情報なども合わせて共有するのもこの時です。
ショップによっては「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの接客用語をスタッフ同士で復唱することもあります。
接客(11:00)
商業施設のオープン時間です。
施設によっては10:00や10:30に営業開始するところもあります。
セールなどのイベント時はオープン直後から忙しいですが、通常営業時は比較的落ち着いて接客しやすいです。
スタッフ全員が店頭に出なくても回せる場合は、ストック作業と分担しながら行います。
遅番出勤(12:50)
遅番スタッフは早番スタッフから朝礼内容や午前中の状況などを確認します。
この後、早番から順番に昼休憩を回していくので、遅番はすぐ接客業務に入ることが多いです。
その際、商品が売れてなくなっていたり、陳列が乱れたりしていないかをチェックします。
昼休憩(13:30)
13時~16時くらいの間で交互に休憩に入ります。
出勤人数や来客状況によって1人づつ順番に入ることもあれば、複数でまとめて休憩することも。
1日の休憩時間は60分~90分が一般的です。
90分の場合は昼休憩60分、小休憩30分と分けてとるパターンが多いです。
接客(14:30)
休憩から戻ったら、売上金額や達成率を確認して接客再開です。
まだ休憩から戻っていないスタッフや、これから休憩に出るスタッフもいる時間帯なので、気を引き締めて接客の後半戦に臨みます。
店頭の人出が足りている場合はストック整理や販促作業など、接客以外の業務も行います。
小休憩(17:00)
ちょうど遅番も昼休憩から戻ってきた頃で、集中力が切れやすい時間帯です。
17時から19時くらいの間で交互に小休憩に入ります。
従業員用の休憩室や近くのカフェなどでお茶を飲んだり、ストックの隅で仮眠したり。
30分ほど各自で自由にリフレッシュします。
接客(17:30)
小休憩から戻ってきたら売上確認し、やり残した作業があれば行います。
この時間帯は仕事帰りのお客様がご来店されやすいので、商品の補充や店頭整理など行いながら接客に備えることが大切です。
また在庫切れや売れ筋商品などの発注作業することもあります。
早番退勤(19:30)
早番スタッフは勤務終了の時間です。
遅番スタッフに共有事項、引き継ぎなどあれば伝達します。
ただし自分の接客に関する作業は極力自分で終わらせることが肝心です。
区切りが良ければ退勤しますが、忙しい時は残業することも珍しくありません。
閉店(20:00)
閉店時間になったらお店をクローズします。
派遣社員やアルバイトは、各自の都合に合わせて定時で上がることも多いです。
レジ締めや売上日報の入力などの事務作業、商品の補充やディスプレイの変更、店内の清掃など、スタッフ同士で手分けしながら行うと効率的です。
遅番退勤(21:00)
閉店作業後は終礼を行い、今日の反省や今後の販促計画などを話し合ったりします。
必要事項は翌日の早番スタッフとも共有できるよう、伝言メモで残しておくことが重要です。
通常営業時はお店がクローズして30分~1時間程度で遅番スタッフは退勤します。
アパレル店員の給与事情
アパレル店員の給与は、アルバイトの平均時給が約1,081円、派遣社員の平均時給は約1,370円です(注1)。
また正社員の場合、各社の統計データによると年収相場が約270万~350万円となっており、未経験からのスタートだと270万円前後と考えられます(注2)。
他の仕事と比べても決して高いとは言えないですね。
ただし、店長などの役職がつくと給与も上がっていくのでキャリアアップ次第とも言えるでしょう。
また、企業によっては売上予算を達成した場合、正社員はインセンティブという形で給与にいくらか上乗せされることもあります。
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まとめ
アパレル店員は特別な学歴や資格を求められる訳ではありません。
ファッションへの関心やコミュニケーションスキルはもちろん必要ですが、何よりも大切なのはアパレル店員として働きたいという熱意です。
もし未経験であっても、派遣社員やアルバイトであればハードルが低くなるのでチャレンジしやすくなります。
経験を重ねて正社員を目指せますし、自分に向いている仕事かどうかを見極めるのにもおすすめです。
アパレルに特化した求人サービスを利用すれば、目的や希望に合わせて仕事探しができます。
まずは自分に合った働き方でアパレル店員を目指してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。