アパレルからの転職では、企業研究が欠かせません。でも、「どこまで調べたら良いのか」「あまり手間や時間をかけたくない」など、いろいろ気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、企業研究の目的や必要な情報の集め方、効率的な企業研究の進め方などを説明します。
さらに、あまり企業研究に手間をかけられない場合の対処法も紹介しているので、アパレルからの転職を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
※2023年3月24日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年8月8日に再度公開しました。
目次
企業研究の目的とは?
転職活動における企業研究の目的は、「企業とのミスマッチを防ぎ、転職の成功率を上げるため」です。
そもそも、アパレルからの転職がうまくいかない原因の一つに考えられるのが「情報不足」です。未知の領域に踏み出そうとしているのですから、事前に情報収集していないと、自分に合う企業かどうか分かりません。
その結果、志望動機や自己PRは一貫性に乏しく、薄い内容になってしまいます。運良く入社できたとしても、ミスマッチによる早期退職のリスクをはらんでいるのです。
つまり、これまでとは異なる業界や職種への転職を成功させるには、いかに企業研究を行っているかが大きな決め手といえるでしょう。
企業研究で必要な情報を集めるには?
企業研究で情報収集できる媒体はいろいろあります。ただ、企業イメージが偏らないよう、信頼できる複数の情報源をチェックすることが肝心です。
こちらでは、情報収集に役立つ媒体を5つ紹介しているので、企業研究にぜひ活用してみてください。
企業の公式サイトをチェックする
企業の公式サイトは最も信頼性の高い情報ツールです。求人サイトには載っていない転職に必要な情報もいろいろ掲載されています。
イメージを明確にするために隅々まで目を通すことが大切ですが、情報量が膨大な場合は以下のポイントを中心にチェックしてみると把握しやすいです。
会社概要 | 企業の歴史、ビジョン、ミッション、価値観などを理解しやすい。 |
事業内容 | 企業がどのような製品やサービスを提供しているのかを確認できる。 |
ニュース・プレスリリース | 企業の最新動向や業績などが分かる。 |
採用情報 | 求める人物像や採用プロセスなど、求人詳細について把握できる。 |
社員の声 | 実際の働き方を知り、職場の雰囲気などを感じ取れる。 |
なお、上場企業であれば投資家や株主向けのIR情報が掲載されていて、財務状況や経営状況が分かります。マーケティング職など、目指す職種によっては戦略を理解したり、立てたりするのに役立つことでしょう。
企業情報が掲載された情報誌を読む
専門情報誌からは、客観的な視点でまとめられた企業情報を得ることができます。こちらでは、アパレルからの転職に使える主要な専門誌、『就職四季報』と『業界地図』について紹介します。
『就職四季報』
就職四季報は、東洋経済新聞社から発行されている就活生向けの企業情報誌です。5,000社にも及ぶ企業の基本情報をはじめ、採用実績、平均年収、残業状況など、リアルに知りたい転職情報が詳しく掲載されています。
ただし、上場企業や大手中心なので、志望企業によっては掲載されていない場合があるかもしれません。
『業界地図』
業界地図は、東洋経済新聞社をはじめ、複数の出版社や新聞社から発行されています。また、無料のWEB版もあり、こちらは会員登録すれば誰でも利用できるお手軽なツールです。
各業界の規模や動向、主要企業、企業同士の関係性などが分かりやすく掲載されています。業界全体から見た企業の位置づけや競合他社などを把握するのにおすすめです。
口コミサイトをチェックする
当然ですが、公式サイトの情報はポジティブなイメージを考慮しています。その点、『転職会議』や『OpenWork』などの口コミサイトでは、現役社員や元社員の声を集めているので、本音に近い感想や意見を知ることが可能です。
ただし、リアルな口コミの中には、ネガティブな内容や信憑性に欠けるものも含まれています。あまり鵜呑みにしすぎず、総合的に判断するようにしましょう。
転職フェアに参加する
転職フェアでは、中途採用を行っている企業が集まり、説明会を催しています。現役社員から直接話を聞けるチャンスなので、気になる企業があれば積極的に参加してみましょう。
また、各業界ごとに出展していることも多いため、効率よく企業情報が手に入る他、比較検討しやすいのも大きなメリットです。実際に転職フェアに参加した内定者の約6割が出展企業に転職を決めているそうですよ。
転職エージェントを利用する
志望企業によっては、入手できる公開情報があまり多くないこともあります。しかし、転職エージェントなら、業界の最新動向や企業の非公開情報を把握していることも多いため、アパレルからの転職に役立つ情報を効率よく得られます。
さらに、応募書類の添削や面接対策などもしてもらえるので、個人で転職活動するよりも成功率を高めやすいのがメリットです。
企業研究を始める前にやっておきたい2つのポイント
企業研究を始める前にまずやっておきたいのが、「自己分析」と「業界研究」です。自分自身を知り、業界を理解することで、転職の軸が明確になり、企業研究の効果をより発揮しやすくなります。
自己分析を行う
アパレルからの転職で最初に取りかかるのは自己分析です。前職で叶わなかったことを解決するためには、転職理由とキャリアプランを明確にすることが肝心。それによって優先すべき条件が絞れるので、自分に合う企業が探しやすくなります。
また、企業研究の際、企業が求める人材に相応しいかどうかを判断するためにも自己分析が必要です。自分自身を深掘りするほど、企業とのミスマッチを防ぎやすくなるので、企業研究の前に、まずは自己分析をしっかりと行いましょう。
業界研究を行う
志望企業を取り巻く環境を理解するためには、業界研究を行うことが重要です。業界研究を通じて、業界内での企業の位置づけや競合他社を把握し、企業への理解をさらに深められます。
また、業界の動向を把握することで、企業の取り組みや方向性について将来を見通して考えることも可能です。業界研究で得た情報を、客観的な視点として志望動機や自己PRに反映できれば、さらに説得力が出せますよ。
【段階別】企業研究の進め方
企業研究と言っても、どこまで調べたら良いのか分からなくなることもありますよね。気になりだしたらきりがないし、その分手間や時間もかかります。
そこで、企業研究を3段階に分け、「応募書類の作成前」「面接を受ける前」「内定を承諾するか辞退するか決定する前」で行うと、無駄がなく効率的です。こちらでは、企業研究の進め方について段階別に説明します。
応募書類の作成前
応募書類は企業研究の内容に沿って作成します。企業の求める人物像を理解していれば、志望動機や自己PRにうまく反映させ、説得力のあるアピールに繋げられます。
ただ、選考前の時点で企業研究に力を入れすぎるのはリスクも大きく、あまり効率的とは言えません。応募書類の作成に必要な基本情報をしっかりと把握しておく程度が良いでしょう。
面接を受ける前
面接では、応募書類の内容について詳細に説明し、採用担当者の質問に答えられるように準備しておく必要があります。そのため、志望企業の基本情報に加え、市場の規模や競合他社、企業の現状など、広い範囲で把握しておきましょう。
その時に役立つのが企業研究の手法の1つ、「3C分析」です。企業研究で押さえるべき項目を3つの観点に当てはめることで、整理して考えやすい手法です。
3C分析とは?
3C分析とは、「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの観点から志望企業の分析を行う手法のことです。
■Customer(顧客・市場)
Customerでは、志望企業の顧客のニーズや行動パターン、市場の規模などを分析します。実際の顧客の傾向を把握することで、マーケティング戦略が理解しやすくなり、製品・サービスの方向性も見えてくるでしょう。
Customerで収集する情報項目の例 |
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0 購買動機 購買プロセス 顧客のニーズ 顧客の行動パターン 市場の規模 市場の成長率 市場の経済環境・・・ 0 |
■Competitor(競合)
Competitorでは、主要な競合他社の業績や動向などを分析します。これにより、競合の強みや弱みを把握し、志望企業を取り巻く外部環境を明確にすることで、企業理解がさらに深まります。
Competitorで収集する情報項目の例 |
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0 競合他社の業績や動向 商品やサービスの特徴 市場シェアやポジション 競合他社の顧客の傾向 競合他社の強みや弱み 競合他社と志望企業の違い 新規参入の状況や将来的な可能性・・・ 0 |
■Company(自社)
Companyでは、志望企業の業績や動向、経営理念やビジョンなどを総合的に分析します。CustomerやCompetitorで分析した内容と組み合わせて、志望企業の強みや弱みを導き出すことで、今後の課題や施策の提案に繋げることが可能です。
Companyで収集する情報項目の例 |
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0 リソースや組織力 商品やサービスの特徴 志望企業の業績や動向 志望企業の強みや弱み 設立年数 事業の規模 経営理念やビジョン・・・ 0 |
内定を承諾するか辞退するか決定する前
面接を受けて入社に不安を感じたり、他の企業で面接の感触が良かったりすると、内定を承諾するか辞退するか迷うこともあると思います。そのような場合に、判断の手助けとなるのが企業の口コミや評判です。
『転職会議』などの口コミサイトに掲載されている情報は、現役社員や元社員の声がほとんどなので、応募者が感じている迷いにフォーカスした意見も見つかるかもしれません。
ただし、元社員の意見は特にネガティブになりがちなので、これまで収集した企業研究の内容と比較しながら、客観的に判断してみてください。
企業研究にあまり手間をかけられない場合は?
企業研究の方法について説明してきましたが、アパレルで働きながら転職活動をしている方も多い中、ここまで情報収集に手間をかけられない状況もあるのではないでしょうか。そのような場合には、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
企業研究は、志望企業とのミスマッチを防ぎ、転職の成功率を上げるために不可欠ですが、転職に精通したキャリアアドバイザーが必要な情報やノウハウを持っています。目指す業界や企業に合わせた実践的なアドバイスをもらえば、個人で行うよりも効率的に転職活動ができるでしょう。
アパレルからの転職におすすめの転職エージェント
こちらでは、アパレルからの転職におすすめの転職エージェントを2社紹介します。それぞれのエージェントには独自のメリットがあるので、転職の目的に合わせて検討してみてください。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1を誇る業界最大手の転職エージェントです。圧倒的な求人数を取り扱っていて、非公開求人だけでも20万件を超えています。
年齢制限がなく、各業界・各職種に精通したキャリアアドバイザーが求職者の希望やスキルに沿った求人を厳選して紹介しているのがポイント。
さらに、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供など、転職サポートも充実しているため、異業界・異職種の転職では心強い味方となるでしょう。
クリーデンス
クリーデンスは、大手転職サイト『doda』や、派遣サービス『テンプスタッフ』などを運営している会社が手掛けるアパレル・ファッション業界に特化した転職エージェントです。
そのため、販売や営業、マーケティングなど、あらゆるアパレル関連の職種に精通しているのが強み。これまでの経験をアパレルからの転職に活かすノウハウも充実しています。
コスメやインテリア、生活雑貨など、アパレル以外の求人も取り扱っているので、経験重視で新たなチャレンジをするのにおすすめのエージェントです。
まとめ
志望企業とのミスマッチを防ぎ、アパレルからの転職を成功させるために企業研究は必要です。自己分析や業界研究と併せて効果的に、そして転職活動の進み具合に応じて効率的に行いましょう。
しかし、働きながらの転職活動では、企業研究にかかる負担は決して少なくありません。個人で企業研究することに限界を感じる場合は、転職エージェントに相談してみてください。
転職に精通したキャリアアドバイザーは、企業の非公開情報を持っていたり、実践的なノウハウも豊富です。うまく活用して、良い結果に繋げましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。