アパレル転職で、「自己PRをどう書いたらよいのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
採用担当者に好印象を与える自己PRは、
1.結論(強み) |
2.結論を裏付けるエピソード |
3.どうやって貢献できるのか |
の順番でまとめるのがオススメです。
こちらの記事では、私が実際にアパレル業界に入った時の経験を踏まえながら、自己PRに必要な事前準備や作成方法、アピールしやすい能力について説明しています。
また、自己PRの例文や効果的なテクニックについても紹介しているので最後までご覧ください。
※2023年1月22日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年6月2日に再度公開しました。
目次
自己PRの例文
アパレル販売未経験者の場合
私は傾聴力を活かしたコミュニケーションに自信があります。
学生時代に4年間ショットバーでアルバイトをしており、さまざまなお客様を接客してきました。
もともと人見知りだったのですが、カクテル作りを覚える一方で、先輩スタッフとお客様の会話に耳を傾け、接客のノウハウを学びました。
特に意識するようになったのは、心地良く過ごしてもらえるよう、なるべく聞き手に回ることです。
そのうち自分に会いに来てくださるお客様が1人、2人と増えていき、辞める頃にはチーフバーテンダーとして20人ほどのお客様にご贔屓にしていただきました。
あるお客様に「君のおかげで楽しい時間が過ごせたよ」と言われたことが、自分にとって励みです。
アパレル業界での接客経験はございませんが、傾聴力を活かしたコミュニケーションと創意工夫で、一人でも多く方にブランドの魅力を理解していただけるよう、精進してまいります。
アパレル販売経験者の場合
私の強みは客観的な思考力を活かしたマネジメントスキルです。
これまで6年のアパレル経験があり、3年ほど店長として店舗運営に携わってきました。
ある時期、お店の売上が伸びず、メンバー間で度々、接客のバッティングがありました。
当事者たちにヒアリングしたところ、お互いの焦る気持ちが接客に表れ、悪循環となっていたことが分かりました。
その時に実行したのは、ぶつかりやすいスタッフ同士を店頭とストックに分けて配し、定期的に入れ替えながら連携させることです。
お互い店頭で顔を合わせてイライラしなくなると、次第に役割分担もスムーズになり、笑顔も出るようになりました。
また、1人1人が丁寧に接客しやすい環境になり、販売の質が向上します。
店の雰囲気が良くなるのと合わせて売上が好転し、店舗目標を120%達成することもできました。
入社後はこれまでの経験を生かし、チームの一員としてブランドに貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。
アパレル業界でアピールしやすい能力とは?
ファッションへの関心の高さ
アパレルはトレンドに敏感です。
アパレル企業はトレンドの動向を把握し、その先を予測して新たな商品を作り出しています。
そして販売員は、商品の魅力をお客様に伝えるため、トレンド感のある提案が強い説得力へとつながるのです。
ファッションへの関心の高さや、コーデにトレンドを取り入れるスキルが大いに役立ちます。
コミュニケーション能力の高さ
アパレルではコミュニケーション能力が重視されます。
販売員としてお客様への接客に必要なのはもちろんのこと、商品を作り出し社外にアピールする過程で、部署間や取引先との連携は不可欠です。
つまり企業全体として、高いコミュニケーション能力が求められます。
初対面でも物怖じしないで話ができる人、すぐに打ち解けられる人はアパレルに向いていると言えるでしょう。
傾聴力の高さ
相手が何を求めているのかを理解する傾聴力は、アパレルで成長するために必要なポテンシャル要素です。
例えば、お客様の求めるサービスや商品を理解し、市場のニーズを把握・分析するのに役立ちます。
トレンドに敏感であるように、相手や対象に対して常に意識を向けていることが大切です。
メンタルの強さ
アパレルでは華やかなイメージの一方、目標に向かって努力するハードな部分があります。
例えば販売員であれば、接客スキルを上げて売上予算の達成を目指すことが重要です。
自分なりの努力や工夫が必要ですし、プレッシャーもかかるため、ただファッションが好きなだけで続けることは難しいでしょう。
さまざまなハードルや困難を乗り越えていけるメンタルの強さが求められます。
健康と体力
メンタルの強さと合わせてアピールしたいのは健康と体力です。
販売員は立ち仕事が基本ですし、商品の入れ替え時期はセールイベントの開催で残業が続くことも。
また総合職や専門職は、年間スケジュールに沿って商品を企画開発、社内一丸となって現場をサポートします。
身体への負担も多いアパレルで働くとなると、健康と体力を維持することも欠かせません。
志望動機と自己PRの違いとは?
志望動機と自己PRはどちらも自分について説明するものですが、その役割はそれぞれ異なります。
志望動機 | なぜその企業・ブランドに入りたいのかという理由をアピール |
自己PR | 自分の強みやこれまでの成果をアピール |
志望動機では企業のコンセプトや方向性を理解し、動機に絡めて「どのようにキャリアアップしていきたいのか」を具体的に説明します。
一方、自己PRは強みを裏付けるようなエピソードなどを織り交ぜて、「企業にどうやって貢献できるのか」を分かりやすく伝えることが大切。
志望動機も自己PRも、ただ自己主張するのではなく、目指す仕事に関連づけてアピールしましょう。
自己PR作成前に準備しておくべきこと
自己分析を行う
自己分析を行い、自分の強みや弱み、これからの方向性を明確にしましょう。
アパレル販売経験があれば、これまでの売上実績や第三者からの評価などを具体的に整理します。
輝かしい結果はもちろんアピール要素ですが、努力・工夫した過程を深掘りすることが肝心です。
もしアパレル未経験の場合は、前職や学生時代の経験を振り返ってみてください。
一見アパレルと関係のない事であっても、ひたすら打ち込んできた姿勢や周囲との協調性、新たなことへ挑戦する熱意などはポテンシャル評価に繋がります。
企業研究を行う
志望するブランドのコンセプトや方向性を理解することは、ブランドのどこに惹かれ、どうやって貢献できるのかを明確にできます。
熱意をアピールするうえで、ただ「ブランドが好き」と伝えるよりも効果的です。
企業研究はネット検索だけでなく、ぜひショップへ足を運んでみてください。
取扱商品やディスプレイ、接客スタイルや客層など、目にするあらゆる物事にブランドのコンセプトや方向性が反映されています。
リアルな現場で感じた思いを具体的に伝えることで、自己PRの説得力もグッと上がりますよ。
競合ブランドを調べる
競合ブランドを調べることで、志望ブランドの特徴や優位性が分かります。
つまりブランドの魅力を再確認し、比較することによって客観性のあるアピールがしやすいのです。
企業研究と合わせて行えば、アパレル業界の動向と志望ブランドの立ち位置も把握できます。
多角的な視点でブランドの魅力を整理し、より効果的な自己PRを作成しましょう。
自分の強みを関連づける
自分の強みをただアピールするのではなく、志望ブランドのコンセプトや方向性に関連づけることが肝心です。
例えばコミュニケーション力を自己PRするとしても、志望ブランドによってアピールの仕方が違ってきます。
職種やキャリアアップを想定して、どんな場面で自分を活かせるのか具体的に落とし込んでみてください。
うまく関連づけることができれば、採用側も入社後の姿をイメージしやすくなりますよ。
志望動機と一貫性を持たせて考える
自己PRは志望動機と一貫性を持たせることで、熱意や強みが伝わりやすくなります。
一方、お互いの内容がちぐはぐだと説得力に欠けてしまい、相手にうまく伝わりません。
■志望動機と自己PRに一貫性のない例 |
---|
【志望動機】 |
顧客に寄り添った接客スタイルに感銘を受け、自分も販売員としてブランドの魅力を広めていきたい |
【自己PR】 |
大学では〇〇をテーマにした卒論に取り組み、失敗を繰り返しながら研究を重ねることで結論に到達できた |
いかがでしょうか?
販売員を目指しているようですが、その人の強みが伝わりにくいアピールではありませんか?
この場合、接客スタイルに感銘を受けた志望動機であれば、自己PRでは学校の教授や同僚とのコミュニケーションを交えながらアピールするのがおすすめ。
志望動機と自己PRに一貫性が生まれ、販売員としてのイメージがより明確になります。
目指す仕事を主軸として、「なぜ入りたいのか」「自分の強みは何か」をセットで考えてみてください。
自己PRを作成する3ステップ
1.結論(強み)から書く
まず結論(強み)から書くことで担当者の関心を引きつけることがポイントです。
例えば、「私は傾聴力を活かしたコミュニケーションスキルに自信があります。」のように書き出せば、後に続く文章が読みやすくなります。
一方「高校時代はバスケ部でインターハイに向けて・・・」のように書き出すといかがでしょうか?
言いたいことが伝わりにくく、長くなりそうな不安さえ感じるかもしれません。
一番伝えたいことを冒頭で簡潔に言い切りましょう。
2.数値を入れて具体的なエピソードを書く
結論に続いて書くのは、具体的な根拠を示すエピソードです。
実績などできるだけ数値で表わすと具体性アップ。
もしアパレル未経験や明確な実績を示すことができない場合でも、部活動で努力したり、アルバイトで工夫したりしたことなどを、強みに関連付けてアピールしましょう。
ただし、肝心なのは自分が主体的に取り組んでいることです。
採用側の求める人物像を意識して、ポジティブなエピソードを盛り込んでみてください。
3.企業にどうやって貢献できるのかで締めくくる
採用担当者にとって「企業にどうやって貢献できるのか」が最も気になるところです。
そのため、自己PRの締めくくりでは、自分の強みが仕事で活かせることを具体的に示す必要があります。
職種に絡めた目標やキャリアアップのイメージなどを盛り込みながら、企業にとって必要な人材だと強く印象づけられるようにまとめましょう。
【重要】自己PRで効果的なテクニック
読みやすい文字数にこだわる
まず履歴書と職務経歴書の自己PRで文字数が異なります。
履歴書の場合、スペースが小さいので100~150文字程度が理想です。
詳しい自己PRは職務経歴書で作成するので、そのダイジェスト版として作成するのがおすすめ。
一方、職務経歴書の場合、自己PRで文字数制限があれば越えないように作成します。
制限の8割以上に収めれば文字数を微調整しやすいです。
もし文字数制限がない場合は、300~400文字程度でまとめると適度なボリュームに仕上がります。
ただし、500文字、600文字が良くないという訳ではなく、担当者が読みやすいように要点を意識してまとめることが肝心です。
失敗や短所を効果的に取り入れる
強みをアピールするのに、実績や成功体験を語るのは重要ですが、失敗や短所を効果的に取り入れて印象づけることも可能です。
例えばメンタルの強さをアピールするとしましょう。
強さだけを切り取った説明より、失敗しても心折れずに立ち上がったエピソードの方が人間味を感じませんか?
失敗や短所は誰にだってあることです。
それを乗り越えたストーリーを盛り込むことで成長する姿がリアルに伝わります。
前職に対するネガティブな内容は控える
経験エピソードで自分自身の失敗や短所を取り入れることは効果的ですが、前職に対するネガティブな内容は控えた方が無難です。
例えば「前職ではパワハラやいじめがありましたが、毅然とした対応を心掛けてきました」というと、前職への不満が伝わり、採用側の心象に悪影響を及ぼしかねません。
あくまでも自己PRであることを踏まえ、盛り込むエピソードはポジティブな内容を意識しましょう。
第三者の評価を盛り込む
上司や顧客に褒められたことなど、第三者からの評価を盛り込んでみましょう。
たとえ自己PRでも、自分語りは自画自賛のように受け取られてしまう恐れがあります。
しかし、第三者の評価を盛り込むことによって客観性が加わるため、信憑性がグッと高まります。
例えば、「お得意様から、いつも笑顔で元気をもらえると言われていました。」などのように、ちょっとした一言でもいいんです。
誰かに言われて励みになった言葉を添えるだけでも自己PRの印象が変わりますよ。
「頑張ります」の締めくくりに注意する
熱意をアピールする時に使いやすいワード「頑張ります」。
肝心なのは「何を」「どのように」頑張るのかということです。
例えば、「ブランドの魅力を一人でも多くの方に理解していただけるよう、親しみやすい接客を目指して頑張ります」のように、目標やキャリアアップを具体的に示すことで入社後のイメージが明確になります。
深く考えないで「頑張ります」を使ってしまうと、採用担当者には伝わりにくいので注意が必要です。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用して自己PRを作成するのもおすすめです。
アパレル業界に精通した担当アドバイザーに相談すれば、自分では気づかなかった長所やアピール方法が見つかるかもしれません。
さらに提出書類全般の添削や面接対策など、さまざまなサポートも受けられます。
ただし、アパレル未経験だと登録できない場合もあるので、事前に公式HPなどでご確認ください。
まとめ
アパレル業界の自己PRを作成するには、自己分析や企業研究のほか、入念な事前準備が肝心です。
自分の強みを具体的なエピソードで裏付けて、企業にどうやって貢献するのかを意識してみてください。
時には失敗や短所を取り入れたり、第三者の評価を盛り込んだりすることも効果的です。
転職エージェントを利用すれば、自己PRの相談だけでなく、応募企業に合わせたサポートも期待できます。
しっかりと印象に残る自己PRを作成して、アパレル転職を成功させましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
メンズアパレルの将来性は?男性の需要やキャリアプランについて解説